2022/02/13

ワタクシ不本意な形で職を失い、これからの展望も失い。
その日も、何時間も街をただ歩き回っていたのですが。

そうして歩いている内に。
涙がぽとぽと、こぼれて参りました。
涙腺が壊れたようになって、どうにも止まらないのです。
一時どこかに座って、と思って立ち止まった喫茶店に入った時も、
まだぼろぼろ泣いていました。
「お好きな席に」
そう言われて、奥まったブースに陣取りました。
飲むあてもないのにコーヒーを頼んで、
頬杖をついて引き続き泣いていました。
下を向くと、涙がテーブルにぽたぽた落ちるので、
それを指先でぐるぐる回していると、
その上にまた涙が落ちました。
その内コーヒーは出てきましたが、
まだまだ涙は止まりません。
ワタクシ、コーヒーがただ冷めて行くのを見つめながら、
人目もはばからず、ただ泣いていました。
と、突然。
「おねえさん」誰かがワタクシに向かって呼びかける声に顔を上げると、
テーブルの向こう側、
すぐ目の前に「オネエサン」が立っていました。
その辺りでは珍しくもなんともありませんでしたが、
いわゆる「ニューハーフ」のオネエサンでした。
その道のベテランと思しき風格、またそんな年代とお見受けしましたが、
細身の体に似合う服を着て、とてもお綺麗な方でした。
そんな彼女がテーブルの向こう端に手をつくと、
ワタクシの方にかがみこむようにして、
「その口紅、いいわね。
どこの?」( ゚д゚)。
ワタクシ、突然の事に一瞬頭がまっしろに。
「は?」「すごく似合ってる。
どこの?」
ワタクシ大急ぎで固まっていた頭と感情を回転させると、
いつも使っているブランドの名前をなんとか答えました。
「・・・だったかも」
私が自信なさげにそう言うと、
オネエサンはそう、と頷いて、
励ますように、でもさりげなく話しかけ続けてくれたのです。
「それ、いい色ね。
いいわよ」まだ( ゚д゚)ぽかん、としているワタクシに言い含めるようにもう一度、
「いいから。ほんとに」「あ・・・ありがとうございます」
ワタクシ、人から親切なお声を掛けて頂くなんて、
最後がいつだったか思い出せないほどでした。
ましてや、見知らぬオネエサンからなんて。
気がついたら涙も止まっていました。
ワタクシがそう自分で気がついてあっと思った瞬間、
オネエサンは手につかんでいたハンドバッグをさっと肩にかけなおすと、
それがサヨナラの合図、
長居は無用でしょとばかりに踵を返すと、
出口に向かいながらワタクシの方をもう一度振り返って、
「ほんとーに綺麗だから。
忘れないで」ワタクシ、夢の中にいるような気持ちで、
ただ頷きながら、目でオネエサンの後ろ姿を見送るしかできませんでした。
ワタクシ、それからしばらくしてやっとコーヒーを飲み干して。
店を出ようと立ち上がりました。
レジに行くと、コーヒー代は会計済みでした。
「え?」
「先ほどの方が」
ワタクシ、息を呑みました。
その後、家に帰って部屋に戻って。
汗と涙が乾いてかぴかぴの顔で、一人鏡の前に座りました。
とっても綺麗な顔なんぞではと笑い出しかけて、
その時やっと気がつきました。
その日、ワタクシどすっぴんで。
はなから口紅なんぞつけていなかったのです。
(´・ω・`)
(´・ω:;.:…
(´・ω・`)
今日もがんばります😉。
※ブログ拍手へのいつも優しい!コメントも、ありがとうございます♪
普通にコメント欄に書いて下さってもいいんですよー!

転職・キャリアランキング

それから急に何かが好転した訳ではありませんが。
あの日が一つ、何かの境目になったのは間違いありません。
その後、ワタクシ家族から何を言われてもただただ体調の回復に努めて、
アルバイトを見つけて。
働きながら少し資格を取って。
それを手に社員として就職して、
その間ずっと節約していたお金で家を出ました。
そこからもまた色々あり続けているワケですが(笑)、
この時の事を思い出すと、とりあえず死ぬ気は失せます(´∀`*)ウフフ。
次回、ワタクシお買い物をするよー(ノ´∀`*)。
ほぼ当時のイメージビデオ(まんま)。
給湯器がない寒い台所って、あなたまさにこんな感じよー(´∀`*)ウフフ。

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